おだやかな時間

二ヶ月ほど前に母が旅立った。
まだこの事実に正面から向き合えていない自分がいる。
在宅で娘や家族に協力してもらいながら8年ほど介護をし、自宅で見送ることができたということは幸せなことなんだろう。
ちなみに私は一人っ子の長女で、結婚後も両親と同居してきた。
ここでいう母というのは私の実母である。

当初はその後の雑務に、逃げるように身を置いた。
まだまだやるべきことはたくさんあるが、そろそろ気持ちの整理をつけて次のステップに踏み出すべきである。

しかし、かくも親を見送るということは、こんなにもつらいことなのか‥

父親が旅立った時もつらかった。
内臓をわしづかみされ、えぐられるような感覚だった。

しかしその時は母親がいた。
彼女が第一人者であり、娘である自分はその次の存在だ。
もっとも悲しむ者は母親、自分はそんな母を支える存在だった。

今、自分が介護のために費やしていた1日の中の時間はぽっかりと空いている。
じゃあといってすぐに次に踏み出せるほど器用ではない。
ただ、やたらとおだやかな時間だ。
おだやかと表現できるということは、自分の中で葛藤はありつつも介護をしてきた日々に満足をしているのだろう。

この時間に踏ん切りがついた時が次のステップにいく時なんだろうな‥

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