ちょうどコロナ禍に入った2020年
一緒に生活していた長女はというと、それまで勤務していたオフィスが撤退を決めていたため残務整理を済ませた後、就職活動をしながら家で資格試験の勉強をしていた。
そして新年度から社会人になった長男はというと、東北で行われる予定だった一ヶ月余りの研修は自宅でオンライン受講となった。
ということで2020年4月、わが家は昼夜私の母、長女、長男、私の四人(+かわいかわいワン😍)でひしめき合っていた。
と言っても皆それぞれの部屋で(+小屋で😍)それぞれのことをしていたので、膝つきあわせてという状況ではなかった。
私もまた介護をしながらぼちぼちと資格試験の勉強をしたりもしていた。
‥そして昼食後
「そろそろ行く?」「行くか!」「じゃあ、ばあちゃん乗せるね。」
こうして四人でわが家の愛車NOTEに乗り込みドライブに出かけるのである。
午後のドライブはもともと母と私の日課で、二人で生活を始めてからほぼ毎日出掛けている。
何しろ母は無類のドライブ好きなのだ。
そして、生まれてこのかた一切車酔いをしたことがないという。
ちょっとくらい気分がすぐれなくてもドライブに行くとたちまち元気になる。
そんな姿を見て胸をなでおろしたことが何度もあった。
子供たちもそんな事情を知っているので、時間のあるときは私を休ませるため、代わって母をドライブに連れ出してくれたりもした。
「いや〜、うちは三密どころか四密だねえ!笑」
息子がスマホからアビーチを流してくれる♬
それまでアーティスト名も知らず全く聞いたことがなかったが、どこかなつかしさを感じるそのサウンドとその世界にどっぷり浸かってしまった。
歌詞の意味をみて妙に感動したりもして、
いいおばさんが⁉︎
その頃、車に乗りながらアビーチを聴きながら、いつも思っていた。
今この時をなつかしいと、しあわな時間だったと思い返す日が必ず来るんだろうなと。
どこへ行っても、どこの道を通っても、母と通らなかった道はない。
今はまだ、一人で車に乗っていると自然と涙が出てくる。
四密でドライブに行ったコースは殊更だ。
大好きなアビーチもまだ聴けそうにない。